独仏で止まらぬ農家の反乱　背後でうごめくポピュリズム政党

　環境問題に厳しい欧州連合（EU）が加盟国に課す規制に対し、独仏など主要国の農家は反発を強めている。顕著なのが、欧州各地で広がるポピュリズムと結びつく動きだ。　欧州きっての農業大国フランスでは、2023年秋にEUの環境規制への抗議活動が始まった。今年1月下旬には、パリに続く主要道路などをトラクターが封鎖した。2月24日にパリ郊外で開幕した国際農業見本市でも、農家が抗議に押し寄せて、警官と衝突。会場に訪れたマクロン大統領は農家の代表者らと議論に応じたが、周囲からは「辞任しろ」などと罵声が飛んだ。

この騒動に先立ち、マクロン政権は21日に農家向けの支援策を発表し、食糧自給を政府の基本政策として法律に明記することなどを約束した。EUでの協議でも環境規制の緩和を主張し、農家擁護の姿勢を示す。

政権批判に使う極右政党
しかし、極右「国民連合」のバルデラ党首は「EUとマクロン氏は我が国の農業の死を望んでいる」とあおり、農家の不満を吸い上げている。1月下旬に英コンサルティング会社が実施した世論調査では、国民連合は33％の支持率を獲得し、マクロン氏率いる与党連合の14％を大きく引き離している。

ドイツでも23年末から農家がトラクターで道路を封鎖するな…(以下有料版で，残り802文字）

毎日新聞　2024/3/12 06:01（最終更新 3/12 06:01）
https://mainichi.jp/articles/20240309/k00/00m/030/061000c