夫婦で都内の不妊治療クリニックを訪れ、こう打ち明けたのは、30代半ばの悟=仮名=だ。夫婦は結婚後、一度も性行為をしたことがないと語った。
「正直、そこからかと思った」と医師は振り返る。
クリニックを訪れる夫婦の事情はさまざまだが、中には性行為ができないという理由で、いきなり不妊治療へと進むケースもある。
「性的なことにはまったく興味がなく、アダルトビデオも見たことがない」と話す男性もいた。教育の現場で、『性行為は避けなさい』というトーンだけが強調されている面もあるのでは」と医師は語る。
日本財団が令和3年に17~19歳の男女を対象とした調査によると、性に関する知識が十分にあると答えたのは2割強にとどまった。学校でもっと深く学びたかった内容として、「恋愛や健康な性的関係に関する知識」が約41%、「性的反応の仕組みや性行為(セックス)に関する知識」が37・6%だった。
悟の例は珍しくはない。
「手を使った自慰行為をしたことがないので、精液検査ができない」
浜松市の聖隷浜松病院で、リプロダクションセンター長を務める泌尿器科医の今井伸医師は、男性の不妊治療に長く携わる中で、射精や性行為ができない男性を数多く診察してきた。
原因を探ると、男性が思春期に正しい方法で自慰を行い、射精をする経験を積んでいないことが分かった。思春期になっても性に関心を持つことをためらうケースもある。
「恋愛をトラブルのもとと考えて遠ざけ、そのまま自慰行為を覚えずに大人になる。『寝た子を起こすな』というが、適切な性教育がなければ『寝た子は寝たまま』だ」
誤った自己流を身につけてしまい、性行為がうまくいかない例も少なくない。
「手を使わずに壁や床にこすりつけるなどして、性行為で得られる刺激とは異なるきっかけで射精することを覚えた結果、膣(ちつ)内射精ができなくなる」
また、インターネットにあふれる過激な動画を見すぎて、実際の女性相手に性行為や射精ができない人も多いという。
平成27年度の厚生労働省調査によると、男性不妊の原因で、勃起や射精ができない割合は13・5%を占めた。
記事に対して、X(旧ツイッター)上では賛否が割れた。「そんなことある?スマホで調べればなんとなくわかるだろうに」「なんでも『学校が~』か」など、学校でこれ以上踏み込んだ性教育を行うことに慎重な意見が目立った。
一方で、「『勝手に覚えるだろ』というのは教育の放棄でしかない」「必要なものを提供できていない意味で義務教育の敗北だ」「子供=性教育タブーの認知のなれの果てだ」として、これまでの性教育の在り方を見直すべきだとの声も多かった。
若者の性への関心や向き合い方は二極化している。セックスに積極的な人がいる一方で、まったく関心がない人が増えている。
日本家族計画協会で日本人の性意識・性行動の実態を探る「男女の生活と意識に関する調査」の平成18年と28年の結果を比べると、未婚男女(18~34歳)のうち性交経験がない割合について、男性は33%から42%に、女性も30%から46%に増えていた。
若者のコミュニケーションスキルにも課題を感じる。スマートフォンで簡単に連絡を取る時代だが、失敗や傷つくことを恐れ、深いコミュニケーションを面倒くさいと感じる。その結果、性交からも遠ざかる。
大人が先回りして、子供同士の衝突の種を摘むようなことをしていると、子供たちは失敗を恐れ、コミュニケーションを避けるようになる。男女関係に限らず、幼いときから、人と人との触れ合いの厳しさや、分かりあったときの喜びを肌で感じられる学びの場が必要ではないか。(抜粋)
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/bf7070b4485eb59a41688843f67eb7bad42f3b7a&preview=auto
引用元: ・【話題】夫「セックスのやり方わかりません」…超草食男子、床使ったセルフプレジャーで腟内射精不可能な人も
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