この中国人旅行客はほとんどが個人旅行客である。他国に比べて中国からの旅行客数の回復が鈍いのは、中国政府が日本観光ツアーの全面解禁を制限していることによるものと言われている。
これは中国政府が厳しく批判した福島の処理水問題が主な原因であると見られている。しかし、中国国内メディアではすでに処理水の問題がほとんど報じられなくなっており、一般国民の関心は薄れている。
この状況を容認している中国政府の姿勢を考慮すれば、そう遠くない将来に日本観光ツアーの解禁も認められる可能性があるのではないかと期待したい。
東京で目につく中国人観光客の多くは若いカップルと家族連れである。
したがって、年齢層としては40歳前後またはそれ以下の若い世代が中心だ。この世代の人々は、中国でも日本でも相手国に対して反感をもつ人の比率が相対的に低く、親近感を持つ人の比率が相対的に高い。
その背景には、旅行やビジネスで相手国を訪問する人が多いこと、ネット上で相互にコミュニケーションをとる人の比率が高いことが影響していると考えられる。
すなわち、相手国に対する理解度の高さが原因である。
2.直接交流経験は報道のバイアスを修正
相手国の人々との直接的な交流経験がなく、相手国の人のことを何も知らずに自国のメディア情報だけを通じて相手国に対する感情を抱く場合には、ネガティブな報道の影響を受けやすい。
例えば、中国現地に駐在する日本企業の社員の間では、福島の処理水の問題も、当局による拘束リスクの問題も最近はほとんど話題にならない。
主な話題は中国経済の減速、ドナルド・トランプ大統領誕生のリスク、台湾の総統選挙、自民党の裏金問題などである。
それは中国現地に行けばすぐに分かるが、こうした事実が日本のメディアで報じられることはほとんどない。
このため、多くの日本人は今も処理水と当局による拘束リスクの2つの問題が日中関係の改善を妨げている主要課題であると信じている。
引用元: ・キヤノン戦略研究所「中国に行ったこともなく、中国人の友達も居ない日本人ほど反中になる」 [271912485]
続きただし、若い世代は直接的コミュニケーションを通じて相手国の実際の姿を理解している人の比率が高いため、ネガティブなバイアスのかかった報道に惑わされにくく、中立的な視点から判断するケースが比較的多い。
高い年齢層の世代でも中国を訪問した人々は、実際の中国の現状を自分の目で見た後、対中観が大きく変わるのが常である。
つい最近、中国を訪問した日本の主要経済団体のミッションの中にもそうした感想を抱いた人がいたと聞く。
しかし、一般的にはそうした高い年齢層の人々が中国を訪問したり、ネット上で中国人とコミュニケーションをしたりする機会が少ない。
そのため、ネガティブなバイアスのかかったメディア情報をそのまま信じている人の比率が高い。
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