【米国研究】妊娠中のアセトアミノフェンの使用は子供の言語遅延に関連している

Pediatric Research誌に掲載された最近の前向き研究では、研究者らは、妊娠中に安全と考えられている鎮痛薬であるアセトアミノフェンが子供の言語発達に及ぼす影響を調査した。彼らは、妊娠中にアセトアミノフェンの使用が増加すると、子供の言語発達の問題に潜在的に関連していることを発見しました。何十年も安全だと考えられていた妊娠中のアセトアミノフェン（パラセタモール）の広範な使用により、現在、神経発達に悪影響を与える可能性についての懸念が高まっています。

疫学的証拠は、出生前のアセトアミノフェンへの曝露と注意力の遅れ、運動の遅れ、行動の問題、言語発達の遅れとの関連性を示しており、妊娠中の安全性についてさらなる調査の必要性を強調しています。

出生前におけるアセトアミノフェンの使用と言語発達に関するこれまでのいくつかの研究は、まれな自己報告手段によって制限されており、タイミングと潜在的な影響の正確な評価を妨げていた。

イリノイ児童発達研究 (IKIDS) では、6 つの異なる妊娠期間におけるアセトアミノフェンの使用を評価することでこれを改善し、より適切な評価を可能にしました。

本研究では、研究者らはIKIDSのデータと特定のアンケートを使用して、アセトアミノフェンの使用が言語発達に及ぼす影響を評価した。

IKIDS は、妊娠中のフェノールおよびフタル酸エステル類への曝露が神経発達に及ぼす影響を調査することを目的とした、アメリカ合衆国における前向き妊娠および出産コホートです。
参加者は、2013年から2020年までの妊娠8～14週目に募集された。参加基準は、単胎妊娠15週未満、年齢18～40歳、サンプル提供の意思がある、イリノイ大学の近くに居住していることであった。

彼らは、妊娠の 3 学期中にアセトアミノフェンを摂取した回数を報告しました。また、インタビューを通じて、人口統計、健康状態、投薬、妊娠、ライフスタイル関連のデータも提供しました。

結果と考察
アセトアミノフェンを摂取している参加者のほとんどは白人で非ヒスパニック系であることが判明した。

人口統計と曝露データは、CDI と SLAS の対象者の間で類似していることが判明しました。参加者の約70.9％が妊娠中に少なくとも1回はアセトアミノフェンを含む薬を使用したと報告されており、以前の研究と比較してその割合は高かった。

26.5～28.5ヵ月の時点で、妊娠中、特に第2期と第3期におけるアセトアミノフェンの摂取量の増加は、小児の語彙数とM3Lの減少に関連しており、性別を問わず一貫した影響があった。

具体的には、これらの妊娠期間中にアセトアミノフェンの使用が増加すると、語彙サイズがそれぞれ 0.58 語と 1.83 語減少し、M3L がわずかに減少しました。

生後 36 ～ 38 か月では、妊娠中、特に第 2 期および第 3 期におけるアセトアミノフェンの使用量の増加が、性別全体での総 SLAS スコアの低下と相関していることが判明しました。

男性は、妊娠第 3 期の曝露により SLAS スコアが大幅に低下しました。感度分析により、これらの結果の両方が確認されました。

結論
これは、言語発達の標準化された尺度を使用して、出生前アセトアミノフェン曝露が小児の神経発達の結果に及ぼす影響を評価した最初の研究です。

結論として、本研究の証拠は、妊娠中のアセトアミノフェン使用の増加と言語発達の低下とを関連づけている。

妊娠中のアセトアミノフェン使用と子供の早期言語発達との関係を調べる
https://www.nature.com/articles/s41390-023-02924-4