全身の炎症を抑えるシグナルを脳に送り出させる作用が示唆されている。
同時に、「GLP-1受容体作動薬」と呼ばれるこれらの薬が、アルツハイマー病やパーキンソン病といった神経変性疾患や自己免疫疾患など、幅広い病気の治療に役立つ可能性や、少なくとも新たな治療法のヒントになりうることも示している。
この薬が非常に広く使われていることからも、今回の発見は「幅広い影響」をもたらすと、米ワシントン大学の内分泌学者マイク・シュワルツ氏は述べている。氏は今回の研究には関わっていない。
「これらの薬は、肥満や2型糖尿病の治療に使うものだとされていますが、もしかすると、ほかの使い道もあるのかもしれません」
炎症とは、体内の脅威に対する免疫系の反応だ。免疫系が細菌やウイルスなどの病原体と闘うときに起こる炎症は良い炎症だが、2型糖尿病や肥満などの代謝性疾患に伴う不健康な炎症は、組織を傷つける可能性がある。
「感染症と闘ううえでは、良い炎症が必要になります」と、カナダのルーネンフェルド・タネンバウム研究所およびトロント大学の内分泌学者で、今回の論文の上級著者であるダニエル・ドラッカー氏は言う。
「ただし、炎症が長期にわたって続くのは、特にこうした代謝性疾患を持っている場合には望ましくありません。なぜなら、心臓病や糖尿病、肥満の合併症などにつながるからです」
GLP-1受容体作動薬を服用すると炎症が減ることは以前から知られていたものの、その理由や仕組みはわかっていなかった。
引用元: ・【やせ薬は炎症も抑える、驚きの効果を解明】肥満と2型糖尿病の治療薬、マウスで確認、アルツハイマー病などの治療にも役立つ?
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