2019年のザローニらによって行われた研究では、ベンチプレスのMAXが平均99kgの筋トレ経験者はブロスプリットトレーニングとフルボディトレーニングで週に5回トレーニングを行いました。毎週のトレーニングボリュームは毎週30setとなりましたが、筋肉の成長効果は全身トレーニンググループのほうが有意に優れています。別の2018年の研究では週3回、毎週18set各筋肉を鍛える分割法と全身法で筋肉の成長を測定したところ測定したすべての部位で筋肥大効果が2倍近くの差があることがわかります。
実際、同じ筋トレ時間やセット数でお互いの努力量を同じにすると高頻度で鍛えたほうが筋肉がより成長する傾向が極めて強いことがわかっています。この最大の原因はトレーニングボリュームが高いことです。
ほとんどの研究で高頻度で鍛えたほうが被験者が多くのトレーニングボリュームを確保できたことを示しています。これはメタ分析でもわかっている通りボリュームが高いということは筋肉の成長が高いことを意味します。
回復は?
高頻度の場合、回復は間に合うのか。と心配する人もいると思いますが、実際データではこのようになっているように回復できないということはほとんどないでしょう。2013年の研究では月火水と連続してトレーニングをさせても筋肉の成長に全く問題がないことを示しており、かなり強度の高い脚トレでも24時間でほとんど回復できることを示しています。
引用元: ・【衝撃】筋トレの分割法、効果がなかった。毎回全身を鍛えるほうが筋肉が成長する。 [294973832]
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どれが最適?
トレーニング頻度やルーティンについてブラッドシェーンフェルド博士は次のように話しています。https://youtu.be/IDzrkgRXqOw
実際、博士はトレーニングルーティンについて「筋肉の発達を最大化するための最適な分割についての議論は続いているが、それに答えはなく本質的に最善の分割はない」と答えています
最新のデータに示されているように、筋肉の成長にとって最も重要なのは機械的な緊張を当てて適応を促すことです。例えば腕立て伏せとバーベルベンチプレスでは大胸筋や上腕三頭筋の成長効果はほとんど同じであることが示されている通り筋繊維は機械的な緊張を受け取ったときにそれがバーベルから生み出されたものか、自重で生み出されたものかを検知するセンサーのようなものはありません。
これと同じで受け取った機械的な緊張が分割法から作られたものか、全身法で作られたものかは関係がありません。
事実としてトレーニングボリュームを等しくなるように設計されたほとんどの研究では高頻度も低頻度も筋肉の成長にとって影響を与えなかった、または研究にばらつきがあり、個人差が強いことを示しています。最新のデータでは筋肉の成長にとって最も重要なのはトレーニングVOLであることが判明しているためトレーニングボリュームによって効果が左右されるのは理にかなっています。
ってことは筋トレの頻度やルーティンってどうでもいいの?実はそうでもありません。
確かにトレーニングボリュームが同じ場合、筋トレ頻度やルーティンは好きなやり方でいいでしょう。しかし、あなたが同じ努力量、同じ筋トレ時間で高い効果を出したい場合は高頻度で鍛えたほうが最善である可能性が高いです。
実際、筋トレのセット数や時間だけ同じにしてどれくらいの回数ができるかは被験者に任せた研究ではほとんどの場合高頻度のほうが筋肥大効果が高いことがわかります。これはブロスプリットのように1日で同じ部位を一気にやる場合はどんどん疲労によりトレーニングパフォーマンスが落ちていきますが、高頻度の全身トレーニングのように鍛える部位を変えていった方が疲労によるパフォーマンス低下がはるかに少ないためです。
事実として高頻度グループは低頻度グループよりも多くの回数をこなせ、トレーニングVOLが高いことを示しています。
ブラッドシェーンフェルド博士も本質的に最善の分割はないと主張しながらも「高い頻度は高いボリュームを生み出すというのは合理性がある」と認めています。BroSplitのように集中的に鍛えればパンプや疲労感などは強くなりますが、これは科学的に筋肉の成長に重要な役割を持つという可能性は低いため、影響力の高いトレーニングボリュームと影響力の低いパンプや疲労感、どちらを優先させるかは言わずともわかると思います。
そのため、「客観的に事実を見た場合」高頻度ほど筋肉がより成長する傾向にあるということは認めざるを得ません。少なくとも高頻度のほうが成長しないというように分割法が上という事実はありません。
加えてブロスプリットの様に集中的に鍛えるとパンプが強いため筋トレ直後の筋肉サイズが増えているように感じるため分割法のほうが成長してると誤解されることもあるため頻度やルーティンについて分割法を肯定する意見には注意が必要です。
2023年の6月に行われた最新データでも週2回よりも週3回のほうが速筋繊維、遅筋繊維ともに測定したすべての部位で高頻度の週3回のほうが優れていることがわかりました。
ただし、ブラッドシェーンフェルド博士も話している通りトレーニング頻度の効果向上には注意が必要です。週1よりも週2、週2よりも週3というのは真実ですが、その効果は徐々に薄まっていきます。例えば20setを週1回やるのと10setずつ週2回でやるのにはトレーニングボリュームに大きな差がありますが、20setを5setずつの週4と4setずつの週5ではそこまで差はありません。つまりトレーニング頻度の筋肥大効果についてはこのようにその恩恵は少なくなります。したがって週6回と7回の差はほとんどないでしょう。とはいっても勘違いしないでほしいのは、あえて週6回でやる意味もなく、基本的には高頻度であればあるほど効果が高い可能性が高いです。
そのため、トレーニングの都合や好みによって鍛える部位を多少分割させる程度なら全く問題ありません。全身法のようにすべての部位を鍛えず、1日4部位5部位と分割して、鍛えない筋肉が存在してもいいですが各筋肉は3~4回は1週間で鍛えるルーティンにするのが最善です。
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