この件について、一般の人々はどう思うのか。秋葉原、新橋、巣鴨の3つのエリアで町の声を集めてみた。
秋葉原駅前で待ち合わせをしていた30代会社員は「言うまでもなく受刑者の人権は尊重されるべき。”さん付け”で呼ぶことで、これまで侮蔑的な言動をとっていた刑務官の意識が変わるのならよいと思う」と話した。
40代の会社員も「刑務所の中は言ってみたらブラックボックスだからね。これも時代の流れというか、必然なんじゃないかね」と肯定的だった。
一方、20代の女子大生は「そこで暮らしてない身としてはよくわからない部分もあるけど」としながらも、こう続けた。
「さん付けにしたからって何かがよくなるとは思えません。犯罪をして入ってるんですから、そこまで気を遣う必要があるんですかね。人権にうるさい世の中だからか迷走しているように感じます」
飲食店に勤める30代男性もこう顔をしかめた。
「悪いことをした人にそこまでの配慮が必要なのか。それによって刑務官たちの仕事が増えたりストレスに繋がらないか心配だ。罰を受ける人たちのために面倒を見ること人たちの負担が増すのは違うと思うし、犯罪者がつけあがる可能性もある気がします」
20代の男子大学生も否定的だ。
「そもそも刑務所の中には社会的に失うものがなく、犯罪を再び犯すことにためらいがない人だっていると思うんです。本来、犯罪者にとって刑務所は二度と戻りたくない場所である必要があるのに、『さん付け』に何の意味があるかわからない」
巣鴨の商店街で買い物をしていた60代女性は「再犯に繋がるのだけは避けてほしいわね」と言う。
「『さん付け』くらい別にいいけど、これを皮切りに囚人の環境がどんどんよくなるのは……。再犯者が『刑務所は正直、住みやすい』なんて言ってるニュースを見たことがあるけど、刑務官からの対応も悪くなくて、住みやすいとなると、再犯してでも戻りたくなっちゃう人もいるかもしれないよね」
一緒にいた70代の男性も続ける。
「昭和の時代は、そもそも悪いことして入ったんだから刑務所の中でひどい扱いを受けようが仕方がないって感覚だったでしょう。
『さん付け』で呼ばれて寝食する場も用意されて、言われた作業をこなせばいい暮らしって、趣味もない独り身にしてみたら暮らしやすく感じてしまうかもね。わざと刑務所に入ろうとする人がでなきゃいいけど」
今回の受刑者への「さん付け」について「言語道断だ」と一刀両断するのは、関東地方の刑務所に3年ほど収監され、昨年春に出所したAさんだ。
「刑務所っていうのは、我慢できずに犯罪を犯してしまった受刑者が、我慢を覚えて自分を正す場所だと思っています。だからある程度、先生(受刑者は刑務官のことを先生と呼ぶ)の威厳が保たれていなければいけない。それなのに『さん付け』なんて……。
ベテランの先生なんかは『ふざけんじゃねぇ』と思ってるはずだし、私の保護監察官も『ありえない』と言ってました。現場を知らない人間の決めたことだと思います」
「受刑者は刑務所内の意見箱に刑務官へのクレームを投書することができるんですが、『あの刑務官が、さん付けしなかった』なんて投書する嫌がらせも増えるんじゃないですか。
意見箱で名前が上がった刑務官は各刑事施設視察委員会の審議対象になるから、刑務官は今以上に受刑者に気を遣わなくちゃいけなくなるでしょうね」(抜粋)
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/dd3b0c5ceadd646518615dcd7a8352d27487930a&preview=auto
引用元: ・【社会】「あの刑務官は俺に『さん』付けしなかったぞ!」なんてクレームも…受刑者に「さん」付けするのは愚策か
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