ロシア軍第3軍団の所属とみられる突撃部隊が15日かその前日、
ウクライナ東部ドネツク州アウジーイウカ市から北へ100kmほど離れたテルニー村の周辺を守るウクライナ軍部隊を攻撃した。
使われた兵器から推測すると強力な部隊だったようだ。
おそらく大隊規模の兵力で、T-80BVM、T-90M戦車を少なくとも計6両、BMP-2歩兵戦闘車など戦車以外の戦闘車両を少なくとも4両、
燃料気化爆薬(サーモバリック)弾頭のロケット弾を発射できるTOS-1多連装ロケットランチャー1基などを擁していた。注目されるのは、ロシア最高の戦車であるT-90Mが見たことのないほど多く配備されていたことだ。
これほどの数のT-90Mが一度に同じ場所にお目見えしたのは、知られる限り初めてだったのではないか。
もっとも、最新のT-90Mもまた、ロシアの旧式戦車と同じようにいとも簡単に爆破された。
ウクライナ軍の第60、第63両独立機械化旅団のドローン(無人機)の猛襲を受けた突撃部隊は、テルニーの南東3kmかそこらで動けなくなった。
生き残ったロシア兵らは4両のT-90を含む戦車6両、歩兵戦闘車や装甲戦闘車計4両を後に残して退却した。TOS-1は破壊された。
OSINT(オープンソース・インテリジェンス)アナリストのアンドルー・パーペチュアは16日、これらを含め、
およそ1000kmにわたる前線全体でロシア軍の大砲や戦車、歩兵戦闘車、装甲兵員輸送車が計31撃破または遺棄されたことを確認している。
これに対して、ウクライナ側は大砲1門と歩兵戦闘車1両の撃破、装甲兵員輸送車1両の遺棄にとどまり、戦車の損害はなかった。
ウクライナ側が消耗戦を優位に進めていることが、ここへ来てますます鮮明になっている。
米議会のロシア寄りの共和党議員らが、切実に必要な弾薬を含めてウクライナへの援助を妨害し、ウクライナ国内でも新たな動員法案をめぐって世論が紛糾し、
新兵の確保が難航しているなかにあってもだ。
ロシア占領下のドネツク市のすぐ北西に位置し、ウクライナ軍の東部での守備拠点だったアウジーイウカの守備隊が、
7倍の兵力のロシア軍による大きな犠牲をともなう執拗な攻撃を前に、ついに撤退を強いられたにもかかわらず、ウクライナ側は消耗戦では勝ちつつあるのだ。
■ロシアのT-90Mなどの新規生産ペースは年間300両ほどにとどまる
テルニー近辺での小競り合いは、場所は少し離れているが、ロシア側がアウジーイウカで収めようとしている「勝利」が、
どのような代償の上に成り立っているのかを浮き彫りにしている。
アウジーイウカ方面の4カ月以上にわたる攻撃で、ロシア軍の第2、第41両諸兵科連合軍は数万人にのぼる死者・重傷者を出し、
戦車やその他の戦闘車両、榴弾砲といった重装備を650両超失った。
アウジーイウカ方面ではウクライナ側の人的損失も多いものの、それは守備隊の中核で2000人規模だった第110独立機械化旅団に集中している。
ウクライナ側のこの方面での車両損失は50両ほどとなっている。
ウクライナにいるロシア軍には機会費用も生じている。
ロシア軍は兵員や戦車だけでなく、大砲や航空支援、兵站なども含めて戦闘力をアウジーイウカ方面に集めた結果、ほかの方面では部隊への支援がその分薄くなった。
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日本で大本営発表してる意味が分からんなw
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