EU諸国の中ではトップクラスの出生率を誇り、性教育も進んでいるフランス。加えて、
恋愛の盛んなイメージを抱かれがちなこの国で、性行為の回数がかつてないほど少なくなっていることが、
フランスの調査会社『ifop』の最新の調査で明らかになった。「過去1年間でセックスをしたことがある」
と答えたフランス人は76%で、2006年と比べると15ポイント減少した。これは過去50年間で
最低の記録だという。一方、「過去1年間で一度もセックスをしていない」と答えた18~69歳のフランス人は、
2006年の調査ではわずか6%だったのに対し、今回は24%と大幅に増加。とくに大きな変化がみられたのは
若い世代で、性行為を経験したことのある18~24歳の独身者のうち、28%が1年間セックスを
していないと答えた。2006年には、この数字は5%だった。
定期的に性行為をしているという人の間でも、その頻度は減少しているようだ。平均して
週に1回はセックスをしていると答えたフランス人は、2009年には58%だったが、今回は43%にまで
落ち込んだ。フランス人のセックスレスについて考えられる要因は複数あるが、ifopは中でも、
デジタルテクノロジーの影響が大きいと指摘する。性行為をする時間が、インターネットでの
動画視聴やSNS等を使用する時間に奪われているというのだ。そしてもちろん、オンラインポルノの
影響もある。「インターネットは、パートナーとの身体的な行為から人を遠ざけ、性的体験の
新たな媒体を提供する」とifopは調査報告書に書いている。
だが同時に、フランス人の意識も変わりつつあるようだ。フランス人の夫婦関係を研究している
社会学者のジャン=クロード・コフマンは、2020年に出版された『今晩はしたくない』(※未邦訳)
という著書で、相手に「したくない」と言えないフランス人女性たちが実際にはたくさんいることを
明らかにした。当時、彼は仏誌『ル・ポワン』のインタビューでこう語っている。「妻が夫に
したくないとなかなか伝えられないという状況が、しばしばというか、圧倒的に多くあります。
理由は色々です。したくないと感じる自分に、女性自身がかなり戸惑ってしまうこともあります」。
しかし、今回の調査で示されたのは、フランスでは今、「『誰かを喜ばせる為』、あるいは
『皆と同じようにする為』のセックスライフへの強制力が弱くなっている」ということだ。
https://www.ifop.com/publication/la-sex-recession-les-francais-font-ils-moins-lamour/
引用元: ・【出羽守永眠】 フランスにもセックスレスの波が到来…人々の意識に起きた変化とは? [675960865]
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